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物件概要 Outline

名称 美しが丘クローバープロジェクト
所在地 横浜市青葉区美しが丘
交 通 東急田園都市線「あざみ野」駅徒歩9分、「たまプラーザ」駅徒歩13分
構造規模 木造3階建
用途・戸数 4棟
間取り 3LDK
竣工年月 2004年5月
総合企画・設計・監理 ランドブレイン、アトリエアルク
施 工 松沢建設

コンセプト Concept

本プロジェクトは、2004年に東急田園都市線沿線の「美しが丘」に4棟の戸建てを分譲したプロジェクトです。
東急田園都市線「あざみ野駅」から徒歩9分、「たまプラーザ駅」からも徒歩13分という好立地。 相続の関係で土地を手放したいというご依頼でした。
人気のあるエリアでの用地を入手は難しく、徒歩圏である希少な本地は弊社にとって夢が膨らむ案件でした。

 本地には古いアパートがあり、居住者がいました。用地取得後、即解体・建築というわけにいかず、 移転先の手配なども含め、入居者全員と長い時間をかけて交渉とケアを積み重ねてからの事業着手となりました。
ブランド力のある場所では、平均値で安全指向なプランの住宅で十分採算のとれる事業になりますが、 転居して頂いた入居者との話し合いの中で、この場所、地域への思い入れを深く受け止め、 地域・社会への提案をするような分譲コンセプトを本地に投じたい、そして「美しが丘」の地名に相応しい「美しい」家を建てたい。 そんな思いを強めて行くようになりました。

 設計は事業主として単体の収益性を優先してしまうようなプランを排除する為に、 あえて外部設計事務所とのコラボレーションを選択し、施工・販売においても早期の段階で関係者を収集しました。
 不動産事業は、開発者を筆頭に進んでいくヒエラルキー(ピラミッド形)な組織で構成されるのが一般的ですが、 開発・設計・施工・販売の4者が共にフラットな関係で意見を出し合い、そこに幸せと夢を叶える4つの住まいを創り上げる。 そんな関係を意識して事業を進めました。プロジェクトはいつしか四葉のクローバーをイメージした 【クローバープロジェクト】と呼ばれるようになりました。

 設計思想をもとに出来上がったマスタープランを見て、皆が驚きました。
整形地の土地に変形敷地などに用いる「うなぎの寝床」のような細長い区画割りと配棟を提案してきたのです。
「うなぎ敷地にわざわざ区画する必要があるのか?」、「美しが丘を希望する客層に合うのか?」、 第一印象が重要な不動産業界において、常識に反するプランに難色を示す意見が次々とあがりました。
「売る側が理解・納得できないものを顧客に進められる訳がない。」
設計図に込められた意図を引き出すために、建築家との討議を連日連夜続けました。 まるで注文建築のように、事業者ではなく個人の視点でライフスタイルを語り合い、 細かい修正を加えて行く中で、関係者それぞれが徐々にプランの良さを理解していくようになり、 設計思想を共有した時には「売れない」不安は消え去っていたのです。

 この考えをどのように販売に繋げていくか。説明する事の大切さを痛感していたプロジェクトメンバーは、 様々な取り組みを考えながら販売活動にあたりました。
動画を駆使したホームページ作りや、コンセプト説明会を幾度も開催し、 建築家が出席して時間を惜しまず対応するなど、それぞれが地道な努力を続けていくことで、 徐々に反響が増えて行き、成約へと結びついて行きました。
 最終的に30代からシニア世代まで、様々な世代の方たちが購入されました。 年齢軸ではなく、ライフスタイルの考え方でこの住まいが選ばれたといえます。

分譲事業において求められるニーズとのギャップ、新しいマーケットを拓いていく難しさを痛感した反面、 常識を超えて行く事業者側の努力がますます必要だと感じたプロジェクトでした。